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February 08, 2011

国の遺産を命を張って守れるか

エジプトですよ、民衆の人たちのパワーは凄いです。
そのパワーを引き出したのはムバラク大統領の圧制でしょうが。
もうひとつ、エジプトの人たちを凄いと思うことは、エジプトの遺跡や発掘品を守っていることです。
エジプト軍も守っているそうですけど、民間人も消火したり反撃したりしているそうです。
襲ってくるのはムバラク側のごろつきだそうで、エジプトを守るのはムバラクじゃないのは明白なのにねぇ・・・。

もし日本で政府に対するデモが大規模に起こったとして、京都の寺院を焼こうとする輩が現れたとしたら、住民は体当たりして阻止するだろうか?すぐさま消火活動をするだろうか?
甚だ疑問ですねぇ。
特別拝観の時期に京都の寺を訪れた時に、重文だったか国宝だったかの絵に触ったおじさんを目撃した記憶が甦ってしまって、疑問。
第二次世界大戦時に米国すら京都と奈良を避けて攻撃したと言うけれど、日本国民に守る意識がないように思います。
古くなったら新しくするのが当たり前と思う人が多くて、蔵や古民家はなくなるし、駅舎も建て替わるし、宿場や街道は見る影もないし、景観は醜くなるばかり。
骨董品と呼ばれれば大事にする人が多いけれど、命をかけて守るかって言うと疑問。

タリバンがバーミヤンにあった石窟の仏像を破壊した映像は目に焼き付いて離れないし、チベットでは中国政府が観光地化を図ってる、これって何なんだろう。

折しもタイとカンボジアの国境に建つプレア・ヴィヒア寺院が、再度両国の軍が交戦して損傷を受けたとのニュースが流れている。
この寺院は、1962年に国際司法裁判所がカンボジアに属すると判定し、2008年にカンボジアが世界遺産登録にこぎつけたものの、その世界遺産登録をきっかけに緊張が高まり始めたとのこと。
地形はよくわからないけど、寺院はカンボジアだけど寺院の入り口はタイにあり、周囲の所属は両国が争っているというややこしさは悩ましい。
クメールの代々の王が11世紀から12世紀にかけて建立したものだそうから、カンボジアのものではあるけれど、タイも欲しいんだろうなあ。
その気持ちはわかるけど、肝心の寺院を破壊してまでなぜ争うか?
住民たちは避難しているそうだ。
やっぱり世界遺産より我が命だよなあと思う。

それを思うと、エジプトの人たちの遺産への意識の高さは尊敬に値する。
真の世界遺産だから当然かもしれないけれど、毎日ピラミッドを見ていたらそれが普通になりがちなのだ。
なのに、争乱が起こるカイロのタハリル広場にあるエジプト古代博物館に民衆が集まり、博物館を守る、命をかけて守るのだ。
発掘物の一部は損傷を受けたそうだが、重要な物に損傷はなく、国際的協力のおかげで既に修復も始まっている。
日本人の常識では考えられないことだけど、日常生活を送りながら粛々とデモが続いている。
古代にはピラミッドは次々と墓荒らしに遭ったけれど、現代のエジプトはこんな感じ。
そりゃ盗みを考える人もいるが、遺産を守る人が圧倒的に多い。

以上の理由で私は政治とは別の意味でもエジプトに注目している。
民衆の思いが実現するといいなぁ、エジプトの遺産をこれからも守っていけるといいなぁ。

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