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April 14, 2010

休み明けは映画の感想

大変ご無沙汰しました。
心身共に不調ですっかりさぼってしまいました。
アップし忘れていた分も合わせて今日は映画3本の感想を書くので長くなりますが、ご容赦下さい。

良い評判を聞いて楽しみにしていた”シャーロック・ホームズ”です。
拡大公開系の中でも最大級の規模なのにやっと観まして。
それなのに、ん?と頭を傾げ、私にはダメだと思いました。
ロバート・ダウニーJr.のホームズは抜群だし、ジュード・ローとのコンビは息合ってるし、背景のロンドンは時代をうまく表現していたけれど、シャーロック・ホームズの映画と言われると私は違和感を感じたようです。
従来のシャーロック・ホームズ映画はあまり観ていませんし記憶もありません。
ですが、小説の翻訳版は小学生高学年頃に読んでいるので、あんなアクロバティックな記述があったっけ?と思いました。
普段はだらだらしてて推理の場面になると何でもかんでも当ててしまうところはばっちり表現してましたが、全般的にやりすぎの感が否めませんでした。
監督はガイ・リッチー、彼の作品を眺めても好きな映画が無いので相性が悪いのかもしれません。


”しあわせの隠れ場所”は単館系ではないものの公開館数が少なく、せっかくサンドラ・ブロックがアカデミー賞主演女優賞を受賞したのに残念だと思っていました。
観ないと一旦決めたのですが、近くで上映が始まったので行ってしまいました。
次々と公開が決まっているようですね。

あらすじはこんな感じです。
里親を転々としていた黒人少年は、優れた運動神経を見込まれてカトリック高校に入学してアメフトを始めるが、帰る家がなかった。
雨の降る寒い夜、とぼとぼ歩いている黒人少年を見かねて裕福な家の女性が家に連れて帰り泊まらせる。
ホームレスの黒人のため覚悟して起きると、毛布などがちゃんと畳んであるのを見て、出て行った少年を呼び戻す。
それ以来、少年を家に住まわせ、夫婦は後見人になり、アメフトで奨学金を取って大学に進学できるように一家は団結する。

この映画は実話を基にしていて、エンドロールに本人が2009年のアメフトのドラフトで指名されたシーンが挿入されています。
その時は心が暖かくなり、いい話だと思いました。
でも、事実だから過剰な演出はないでしょうが、サンドラ・ブロックの演技に辟易してしまいました。
同じく実話を映画化した”インビクタス”が爽やかな印象を残すのとは逆にどろどろしたものを感じてしまいます。
舞台が南部で人種差別が激しくて、大学選びが操作されたと疑われるシーンもあるためかも知れませんが、夫婦の気持ちがよくわからない、特に主導権を持つ妻の高圧感が映画に蓋をしているような気がしてなりません。
演技の点では、いつでも自分が決めて他人を導くタイプをサンドラ・ブロックはうまく演じていたと私も思いますから、一度も弱い面を見せない演出が気持ち悪くさせたのでしょう。


”NINE”は拡大公開系で相当以前から予告編を流していたミュージカル映画です。
ミュージカルは大好きですし、豪華な出演者を見て随分前に観ると決めていました。
主演はダニエル・デイ=ルイス他、アカデミー賞受賞など実力派女優であるマリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ、ケイト・ハドソン、ニコール・キッドマン、ソフィア・ローレン、そしてファーギー、この豪華な出演陣とロブ・マーシャル監督に惹かれていました。

あらすじはこんな感じです。
名映画監督グイド・コンティーニは第9作のために脚本を書こうとしていてもスランプに陥って一行も書けずにいたが、”イタリア”という新作のためのインタビューと準備はどんどん進み、逃げるように車を飛ばしてホテルに隠れる。
しかし、顔が知られている監督は心休まることもなく、フランスに住んでいる妻に電話をしたり愛人を呼び出したりしているうちにローマから製作スタッフがやって来てしまう。
母の思い出に浸ったり雑誌記者との情事を空想したりするが、どうしても脚本が書けない。
さあ、どうする?

巷の評判はあまり高くないのですが、私は良かったなあと思い、もう一度観てもいいと思ったほどです。
ミュージカルの歌の部分は俳優の見せ場でして、コティヤールはうまい、ペネロペも大胆な演技も含めてさすが、ダニエル・デイ=ルイスの歌は心を打ちました。
中でも最高なのは予告編で使われているケイト・ハドソンでした。
ストーリーでは脚本が書けない状況も逃避する気持ちもわかるので、共感したのかもしれません。
後で思えば深みはありません、それでも観てて楽しかったです。
でもロブ・マーシャル監督の”シカゴ”ほどの傑作ではないですね。
世間の評判はあまり良くないのも何となくわかります。
コミカルなところはありますが、ラストは地味ですし、全体を眺めてもハッピーとは感じないでしょうから。

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sent from W-ZERO3

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