2023年夏の旅 <カープレッドの4日目、最終日の巻>
最終日の4日目は雨でした。
朝食を食べに近くの喫茶店まで歩いた時がちょうど大雨の最中でした。
暑い日が続いた後なので雨で多少涼しいならそれも良しと入ると、昔ながらの喫茶店でした。
やっていらっしゃる御夫婦の年齢からも、サントスとかモカマタリの表記からも、時代を感じる喫茶店でした。
トーストとホットコーヒー、サラダのモーニングメニューをいただきました。
所謂喫茶店のコーヒーをホテルの朝食として満喫しました。
最終日の目的はカープスタジアムツアーでしたので、まずは荷物を広島駅のコインロッカーに預けに行きました。
雨は止んでいて幸いと思ったら広電は混雑していて、ザックを背負って立って耐えて広島駅に到着すると、何と大工事の最中でした。
後で知ったことに、広島駅は大幅なリニューアル工事中で、広電は駅の2階に入る予定だそうです。
広電へは水平移動ですぐに移動できるのは素晴らしかったのに2階かぁとちょっと残念ですが、何事も一長一短がありますので旅行者としては文句は言えません。
但し、暫定の広電乗降場からJR広島駅までの通路が狭くて遠いことには、どうしようもないけど文句を言いたくなりました。
ところで、満員の乗客を降ろすのにどのくらいかかるのか不安でした。
ここを広電は熟考したのでしょう、外国人観光客もICカードか何かを持っていて極めてスムーズに降ろしていました。
中には現金の方もいたようで乗務員が対応してましたが、それでも2両連結車両のドアがすべて開くので極めてスムーズでした。
降車は前扉のみの豊橋鉄道の路面電車に慣れているので仰天しました。
コインロッカー探しは難航するかと思いきや、結構空いていて改札口近くのICカード対応のロッカーに入れられました。
さあさあ、ツアーは11時開始ですから早目に着いてスタジアムを外から眺めておこうと歩き始めました。
カープスタジアムは東から広島に到着する時に見えますのでおおよその位置はわかってましたが、道順はわからないので案内板に従って歩いて行くと目の前に突然現れました。
ほっほー、いい感じと喜び、受付場所も確認した後、ショップも開いているらしいが、それよりも水分補給をとローソンを見つけて入ると、うわっ!何じゃこりゃ!
想像もしてなかった光景が広がっていました。
入る前からローソンにしては赤いとは思ってましたが、入ると真っ赤、カープグッズとカープ応援グッズがずらーっと並び、飲食物の棚は応援に特化していて氷の多いこと!
ドラゴンズでもそんなことになっているのかなあ、以前は絶対そんなことはなかったと思いつつ、ともかくペットボトル1本を買って、また降り出した雨を避けて待ちました。
時間になったので、受信メールを見せて料金1500円を支払い、屋内で待っていると係の方が案内してくれました。
名札を付けるのかなと思いきや、真っ赤な名札ホルダーを兼ねたカープグッズを渡されました。
そして「遠方からわざわざ」と言われた瞬間、自分自身をどういう位置づけにしようか考え始めました。
赤いローソンを見た後で、どぎまぎしてしまったのです。
カープファンともプロ野球ファンとも言えないから訊かれたらスタジアム自体に関心があると答えよう、訊かれなかったら黙っていようと決めました。
今日は本ツアーを2班に分けますと言われ、他のツアーもあり、かなりの人数が試合のないスタジアムにいました。
撮影は著作権のある物、プライベートな物がある場所以外はどこでも可能で、ファンサービスは満点でした。
記者席の造りも高額なシートも興味深く、幸い気温も雨のお陰で抑えられ、屋内でのマスク着用も耐えられました。
遠方から来た理由も訊かれずに楽しくツアーを終えましたので、開いていたグッズショップにも行ってみましたが、ここはお腹いっぱいの気持ちになり、隣のカープヒストリー紹介を見ました。
こちらは興味があるので面白かったのですが、いつからカープ熱はここまで燃え盛っているのでしょうか。
駅への帰り道はスタジアム用の新しい歩道を見つけ、歩いて行くとカープ応援の看板がずらりと並んでいて、ここからも燃え盛るカープ熱を感じました。
時刻はちょうどお昼時で昼食を食べたいところでしたが、どこもここも満員で店には入れず、パンを買って広電とは反対側の出入口のテラスで食べて終わりとしました。
ちょうど本日の計画を練るにはぴったりでしたし、こちら側は工事をしてなくて新しくできた出入口らしい様相を眺めるのも楽しかったです。
そこで決めた計画は、まず国宝の不動院金堂を見に行くこと、そのためにアストラムラインに乗ることでした。
アストラムライン本通駅から乗るには広電で行かねばなりません。
戻るのかぁと残念に思いつつも仕方ありません。
紙屋町東で降りて地下道を歩いて本通駅に着きました。
アストラムラインは、交通系ICカードが使えますしホームドアどころかホーム壁で囲われた最新設備の駅ですが、思った以上に小さい列車で可愛い印象でした。
10分間隔ぐらいで平日日中は運行しているので名古屋市地下鉄の桜通線のようでした。
列車が地下から地上に出て高架で進むと、また郊外の山に住宅地を造っているよ!とがっかりしつつ、不動院前駅で降りて不動院を探して歩いて行くと、孤高の存在感を放っていました。
原爆に耐えて歴史を伝えている不動院は黒々として美しい曲線を描いています。
密集した住宅地の中に異空間のように広々とした境内があり、その中に威風堂々たる金堂に惚れました。
さて、この後どうするかは悩みました。
帰途に着くには早過ぎるからいつなら歩き回るところだけど、蒸し暑いし歩いてもつまらない場所なので地図をじっと見て考えて、閃きました。
そうだ、広島城址だと。
アストラムラインで城北駅まで戻ると広島市中心部です。
広島城址まで歩けます。
その後に映画館見学もできます。
時間的にも余裕があったので、その計画で広島観光を終わりにしようと決めました。
広島城は当然被爆して倒壊していますので、今建っているのは模造天守閣で博物館になってます。
国史跡ですが、それは石垣や堀に対してのものなので、模造天守閣に興味はありません。
城としてもあまり面白味がありません。
がっかりしつつも日もまだ高いので、早々に近くで建設中の大きな建築物を眺めつつ八丁堀まで歩きました。
これが結構遠くてへばりました。
八丁堀付近には八丁座とサロンシネマの2館があります。
八丁座は福屋の8階にありデパートとは別のエレベーターで上がって行くと、何じゃこりゃ!と驚愕する和風の映画館でした。
スクリーンは2つあり、「壱」と「弐」と表記されていて、こんな映画館には初めてお目にかかりました。
サロンシネマは向かいの東急ハンズの入るビルの8階にあります。
こちらもエレベーターで上がると、ぐっと庶民的な雰囲気ながら柔らかいお洒落な空間になってました。
ここもいいなあと雰囲気を楽しみました。
いつか映画を観に参ります、今回は観ずに歩き回って映画館の方々には失礼いたしましたと心の中で詫びを入れつつ去りました。
そろそろ広島駅に戻って新幹線の混雑回避作戦を立ててもよい時間になってました。
広電にまた乗って駅ビルを歩いていると飲食店が空いてました。
最後につけ麺を食べるのもいいぞと、有名らしいばくだん屋で一番小さいサイズのつけ麺を食べ、縦に盛る葱はやはり風味ゼロで残念なものの、全体としては美味しくて満足しました。
では土産物も買って行きましょうかと手にとってレジに行こうとして、長蛇の列に唖然とし、即、土産物は諦めました。
これだけ混んでいるなら早く帰途に着いた方がよかろうと判断し、ザックを背負って夕食代わりのむさしの駅弁を改札内で買い、ホームに出たら長い列ができているではありませんか!
作戦通り東京行ののぞみは見送り、新大阪行の8両編成を狙いましたが、これも混雑していて乗るか否か迷いました。
でも見送る時間の余裕はどんどんなくなりますので、乗りました。
乗りましたが、これだけ混むと座る気が失せてデッキにいて車窓を眺めていると、雲行きが次第に怪しくなり、新神戸駅では大雨でした。
新大阪で乗換になるので、また作戦を考えました。
名古屋で結局ひかりかこだまに乗り換えるよりも、新大阪から停車駅の多いひかりに乗り換えておいた方が良いように思えました。
身構えた京都からもさほど乗って来ず、作戦は大成功で、空いた状態で帰り着くことができました。
後日、前述した広島駅のリニューアル工事と、広島城址近くの大工事がサンフレッチェ広島のホームスタジアムになることを知り、広島について調べています。
広島市は興味深い自治体です。
また行きたいものです。