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January 24, 2025

2024年の映画館で観たその他の映画について

2024年の映画館で観た映画のランキングは今回までです。総括は最初に挙げたので、最後はその他の部門でのランキング未満の話と、ワーストを挙げます。


まず旧作で、日本映画では劇映画1本とドキュメンタリー映画2本を挙げます。

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「真昼の暗黒」


監督今井正、脚本橋本忍の1956年の独立映画配給の本作を、私は知りませんでした。まだ駆け出しだった昭和の名優が多数出演しているだけでも観て良かった上に、ストーリーが冤罪をテーマにしていて、本人も家族も周囲も犯人の訳はないから裁判所はわかってくれると信じていた時代の話です。現在を見透かしているような展開にぞくっとしました。


「越後奥三面 山に生かされた日々」


今作もまた知らなかった作品でした。監督姫田忠義の1984年の民族文化映像研究所配給の本作をデジタルリマスターしたものをリバイバル上映されていて、「おく・・・何?」と読み方がわからないところから興味が湧いて観ました。記録として貴重なばかりか登場人物にも惹かれました。なお、「おくみおもて」と読みます。


「エドワード・サイード OUT OF PLACE」


「暮らしの思惑 佐藤真 RETROSPECTIVE」特集の1本として観ました。監督佐藤真、ALFAZBETとパラブラの配給で2005年の作品ながら4Kレストア版でした。20年前の映画でもそのままでは上映に耐えないと判断される時代なんですね。それはともかく、エドワード・サイードを知らず、観ながら何となく知った程度なので、宣伝文章から抜き書きすると、「パレスチナの窮状と真実を伝え、和解と共生の地平を探る」方だったそうです。サイードにも興味を持ちましたし、佐藤真監督の作品は観てましたのでいつものように感心しましたが、特集上映作の中で一番良くて後を引いてます。

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海外映画では、劇映画5本を挙げます。

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「テルマ&ルイーズ」


監督リドリー・スコットによる1991年の米国映画のタイトルこそ知っていても観たことがなく、4Kレストア版上映をしていたので観てみました。主演がスーザン・サランドンとジーナ・デイビスというのも魅力でした。当時の米国ならごく普通のシーンから始まり、若い女性ふたりが行き当たりばったりでドライブして旅に出て色んな目に遭って最後は・・・というストーリーが爽快でした。こんな映画をリドリー・スコットが撮っていたなんて知りませんでした。アンプラグド配給です。


「死刑台のメロディ」


エンニオ・モリコーネ特集上映の1作で4Kリマスター版で観ました。監督ジュリアーノ・モンタルドによる1991年のイタリア映画で、キングレコード配給です。今作もまたタイトル名は知っていても観たことがなく、モンタルド監督の名も初めて知り、観てビックリの冤罪物でした。さらに実録ドラマと宣伝されていますが、単なる再現を超えたドラマに心打たれました。名作ですね。


「エレクション 黒社会」


今作以下3作は「ジョニー・トー 漢の絆セレクション」特集上映で観ており、すべての作品は、監督ジョニー・トー、香港映画、AMGエンタテインメント配給です。2005年の今作は観たことがなく、ノワール作と言いますけど謂わばヤクザ映画です。日本のヤクザ映画はあまり好きではないのに香港映画だと結構好きなのです。わくわくしました。


「エレクション 死の報復」


2006年の本作は上記の作品の続編ながら日本未公開だったそうです。続編がすぐ観られる幸せを思いっきり味わいましたが、もはや単なるヤクザ映画ではなくて時代の変遷を感じさせるドラマでした。


「エグザイル/絆」


2006年の本作はアンソニー・ウォン主演で、最近は中国政府に批判的なために干されていてお目にかかる機会が非常に少なくなったためアンソニーを観るためだけに行ったようなものでしたが、何か良いのです。カッコいいです。

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その他としては、基本的にライブ映像だけど映画化を意識して撮影して編集した作品を2作挙げます。

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「ストップ・メイキング・センス」


トーキング・ヘッズの1984年の伝説のライブを4Kレストア版として上映されていました。監督は何とジョナサン・デミ。1984年の米国映画、ギャガ配給です。私は当時のトーキング・ヘッズを知らず、実は興味を持ったのは2020年の「アメリカン・ユートピア」でデビッド・バーンを観てからでした。だから、2作セットでの評価をしてしまいますが、創造的で良いなあと思います。


「ナショナル・シアター・ライブ『オセロー』」


英国国立劇場ロイヤル・ナショナル・シアターが厳選する名舞台を映像化した「ナショナル・シアター・ライブ」シリーズ中の1作が本作で、舞台美術に興味があるのでストーリーそっちのけで観てました。単なる舞台中継は冷める私が珍しく食らいついてました。

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最後にワースト作品を、たまたまながら日本劇映画3本挙げます。

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「はじまりの日」


ソニー・ピクチャーズエンタテインメント配給、日比遊一が監督・脚本・プロデュースを務めた本作は、出身地の名古屋を舞台にした映画をこれまでも作った日比監督ならではではありますが、主人公そのもののような経歴を持つ中村耕一に主演させただけでも疑問があり、ストーリーも名古屋を生かしたいためか不自然で、変にミュージカル仕立ての部分もあり、怒りまくってました。


「52ヘルツのクジラたち」


ギャガ配給の監督成島出による本作は、現在から過去を振り返る形式で物語は進みますが、過去と現在が独立した話のようなのに主人公は同じで、何のための映画なのかさっぱり理解できず、怒ってました。原作は2021年本屋大賞受賞作の同名ベストセラーだそうで、私は未読ながら読む気にもなりませんでした。

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長くかかりましたが、2024年の映画についてはこれにて終わります。書いてきて思うのが、映画の評価は映画の出来、ストーリー展開、演技の上手さ、演出の上手さ、時代との相性、個人的な想いとの合致度など基準は人によって違い、映画によっても違い、あまり当てになりません。賞レースも始まってますが、あれも参考程度に留めておくのが良いと思います。

January 21, 2025

2024年に映画館で観た海外ドキュメンタリー映画のランキング

前回の更新に修正をかけるという失態を冒し、恐縮しています。では、気を取り直して、2024年に映画館で観た海外ドキュメンタリー映画のランキングを挙げます。9位までです。

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1位 ビヨンド・ユートピア 脱北


脱北を過去ではなく現在進行中として描いた本作は、マドレーヌ・ギャビン監督、米国映画で、トランスフォーマー配給です。


脱北作戦進行中を客観的に観察した作品と思うでしょうが、カメラは結構深いところまで入っていてハラハラドキドキ感が半端なく、そこに心打たれ、脱北の危険を肌身に感じました。


2位 インディアナ州モンロヴィア


フレデリック・ワイズマン監督による本作は、2019年山形国際ドキュメンタリー映画祭コンペティション部門に参加した2018年の米国映画です。一般上映ではなくワイズマン監督傑作選の1作として上映され、配給会社の記載はありませんでした。


ワイズマン節とも言える、音楽無し、ナレーション無し、固定カメラでの映像は、保守的なモンロヴィアを冷静に見つめ、それだけに保守性がひんやりと伝わって来ました。第三者が笑いをこらえるような儀式を本人たちは真面目に執り行っている保守性はいつまで続くのでしょうか?


3位 ブラッド・スウェット&ティアーズに何が起こったのか?


このバンドを知っていれば音楽映画か社会派かと予想されるでしょうが、ゴリゴリの社会派です。ジョン・シャインフェルド監督による米国映画で、ディスクユニオン配給です。


私はこのバンドを知りませんでした。あらすじを読んで政治色濃厚な事件に惹かれて観ました。観た後でネット検索しましたが、軽く調べただけではこの事件の裏は出て来ません。だから、よくまあ作れたなあと感心しています。


4位 革命する大地


実にマイナーな作品でして、ゴンサロ・ベナベンテ・セコ監督による2019年のペルー映画、ブエナワイカ配給です。1968年10月のクーデターで誕生したベラスコ大統領の二分される評価とその後のペルーを描いた、アーカイブ映像を素材に組み立てたドキュメンタリーです。


アーカイブ映像で語る形式のドキュメンタリーは山形国際ドキュメンタリー映画祭でよく遭遇するので、すっかり慣れてしまって私は違和感がありませんが、自己愛に溺れがちな形式なのに潰れることなく物語られていることは素晴らしいです。


5位 エターナルメモリー


続いても南米からで、マイテ・アルベルディ監督によるチリ映画で、シンカ配給です。チリも政治体制が激しく変わった国で、激動の時代を闘った夫婦に訪れたアルツハイマー病とのつき合いを描いています。


夫は反体制的なジャーナリストとして有名で、妻は女優であり初の文化大臣を務めた著名人で、ふたりは老いて穏やかに過ごしていた時に夫がアルツハイマー病を患います。妻は夫を介護しつつ仕事も続けていて、正直に言うと、多忙な妻は次第に荒れていき、夫はどんどん衰えていくのだろうと予想してました。実際は全く違う展開で、妻は最期まで夫を愛した介護をし、夫は最期まで幸せな結婚生活を送ったのです。驚きました。


6位 美と殺戮のすべて


社会派が続きますが、本作が最も激しいかも知れません。写真家ナン・ゴールディンが、オピオイド系化合物を有効成分とするオキシコンチンを販売するサックラー家に対して激しい抗議活動をする姿を描いた本作は、ローラ・ポイトラス監督による米国映画で、クロックワークス配給です。


ゴールディンの活動は激しく、サックラー家が寄付する美術館への抗議は多人数で注目をせざるを得ない活動でした。その理由が病院での治療にオキシコンチンを使われてオピオイド中毒になったことですから、理解できても終わりなき活動に参加はできないと思いました。それなのになぜランク入りさせたのか?オピオイド中毒は米国での大きな社会問題ですし、観た当時にちょうどサックラー家からの寄付を断る美術館が出始めていたことが大きいです。


7位 医学生 ガザへ行く


マイナー作です。2021年の作品なので、今のガザの現状と全く異なる状況でガザに留学したイタリアの医学生の話です。監督はチアラ・アベザニとマッテオ・デルボで、スペイン映画です。ユナイテッドピープルの配給です。


予想した結末は、ガザの実状に触れて理想を追い求めた医学生は挫折する話でしたが、彼は柔軟性と適応力が豊かでガザの病院や大学の人たちと友好を深め、ガザでの窮状にも対応できてヨーロッパとガザの橋渡しもする救急医になるのです。それを撮影して物語として描く監督に感心しました。


8位 マリウポリの20日間


2023年に「マリウポリ 7日間の記録」というドキュメンタリー映画が公開され、撮影中に監督が殺害されて映像を密かに持ち出したサブストーリーがある映画でしたが、今作は閉じ込められて必死に脱出を図ったストーリーです。ただ、マリウポリへの攻撃は、言われている通りのロシアか自作自演のウクライナかと疑われており、どちらだったのかで意味が変わってしまうので、評価しづらい映画になりました。今作がアカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞し、ウクライナと米国の合作なので、舞台裏を疑ってしまいます。監督はミスティスラフ・チェルノフ、配給はシンカです。


いや、撮影時にこの地を攻撃しているのがロシアかウクライナかは関係なくてただただ疲労困憊する人たちと自分自身を描いただけですから、攻撃者が誰なのかは評価と関係ありません。恐怖の中、よく撮ったと思いますし、編集も良いと思います。でも、後の話を知ってしまうと冷めるのです。


9位 郷愁鉄路 台湾、こころの旅

 

マイナー作、かつ鉄道ファンだから惹かれた映画なのかも知れません。台湾の南廻線はディーゼル車が走るのんびりした路線だったのが、電化されて雰囲気がまるで変わってしまうとわかって撮影を始めた映画だそうです。もちろん台湾映画で、監督はシャオ・ジュイジェン、配給は武蔵野エンタテインメントです。


南廻線はおろか台湾の鉄道をほとんど知らないので、観ること自体迷いました。でも、鉄道ファンとして惹かれて観ました。それなのに実に魅力的に撮っていること、魅力的に作られていることに驚き、日本の鉄道も誰かこんな風に撮ってくれないでしょうか。鉄道のドキュメンタリーは何本か観てますが、これほど魅力的に撮ったものは皆無なのです。

January 15, 2025

2024年に映画館で観た日本ドキュメンタリー映画のランキング

2024年に映画館で観た日本ドキュメンタリー映画のランキングです。11位まで挙げました。

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1位 無理しない ケガしない 明日も仕事! 新根室プロレス物語


日本ドキュメンタリー映画に近年ありがちな経緯ながら、北海道のuhbのテレビ番組として製作したものが各賞を受賞したので映画版を製作したものです。監督は湊寛、太秦配給です。


プロレスは嫌いな私なのに、今作には惹かれました。サムソン宮本が作った新根室プロレスの人気がどんどん高くなっていた時に解散宣言がされ、その理由がサムソン宮本の病気だったというのもファンには衝撃的ですが、その後、サムソン宮本の死までと死後の話が感動的でした。家族の愛と仲間の続けようとする熱意がありきたりと言えばそれまでですが、上手い作りなのでしょう。名古屋で観た後に映画館以外で関連イベントが開催されたのも知って、やりたくなるのも頷けました。


2位 イーちゃんの白い杖 特別編


今作も。テレビ静岡がテレビ番組として製作されて各賞受賞し、2018年に「イーちゃんの白い杖」として映画版が公開され、それに映像を追加したのが今回の特別編です。監督は橋本真理子で、25年間取材してます。そして、配給はシネマイーラ!私が度々行くミニシアターです。


前作「イーちゃんの白い杖」も観てますが、当時はあまり良い印象を持ちませんでした。不幸な人を取り上げて評価を得ようとしているように見えたからです。ところが、今作は至って明るく、歳を取ると共に亡くなる人も病気をする人も出てくるのに、命の危険に晒される車椅子の弟と盲目の姉は深い絆を築いていて誰も入れない姿は神々しいくらいでした。そして姉は自立して行きます。やっと製作意図の本音が見え、良い出来に仕上がってます。


3位 ミルクの中のイワナ


坂本麻人監督が作り上げた今作はWhole Universeの配給であり、つまり完全なるインディペンデント映画です。


マイナーな作品で世間の評価もさほど高くないけれど、理系心を掻き立てられて興奮しました。イワナが高い遺伝的多様性を持つと示されたところでもうノックダウンされてました。乗せられればもう面白くて面白くて、さらに環境DNAを調べれば存在がわかると言い出したところでワクワクしてました。ポスターも美しい。


4位 BORDER 戦場記者✕イスラム国


TBSがドキュメンタリー映画祭を映画館で年1回開催していて、形式はかちっと決まってない印象はあるものの、2024年の第4回で今作を観ました。監督は須賀川拓です。


以前のTBSドキュメンタリー映画祭で須賀川さんが監督ではなく海外駐在記者として出演されていたのを観ていたので、相変わらずリスクを冒しながらも万全の安全策を取る姿に感心して観てましたが、イスラム国首脳部にインタビューする場面はハラハラドキドキ物でした。骨太な作品から彼の本気を感じられて良かったです。


5位 ゲバルトの杜 彼は早稲田で死んだ


代島治彦監督作なので三里塚か何かか?と思ったら、樋田毅のルポルタージュを原案にして激しい学生運動の時代を切り取って、インタビューと鴻上尚史による短編ドラマで構成したドキュメンタリーだったので驚きました。ノンデライコ配給です。


今作は樋田毅さんの舞台挨拶があった時に観たので、映画だけでなく過去に何があったのかを記す熱意に打たれたことを覚えています。学生の派閥が力を持って傍若無人に彼らの理想に突き進み、個人も尊重されず大学の力が非常に弱く、学生が犠牲になったことが良くわかりました。


6位 ヤジと民主主義 劇場拡大版


本作もまた、事件の起こった札幌にあるテレビ局HBCがテレビ番組を製作して各賞を受賞し、書籍化もされて映画化に至ったものです。山崎裕侍監督で、配給はKADOKAWAです。


あの事件当時も理不尽さに憤ってましたが、今作で詳細を知るとますます憤りが強くなりました。何なんですかね!政治家もそうですけど警察や検察や裁判所も腐ってます。


7位 戦雲(いくさふむ)


沖縄の琉球朝日放送に居た時から映画を作っている三上智恵監督の作品で、東風配給です。ライフワークとも言える沖縄を過去から現在まで、さらに未来を見通す取材には感謝いたします。


沖縄の島々に自衛隊施設が建てられつつあることは知ってましたが、改めてまとめられた計画を見ると国は戦争したいとしか見えず、住民を排除したい意図がありありとわかりました。さらに具体的なことが描かれて、島々の人々がこの状態を良しとしかねない深刻な状況を突きつけられました。沖縄で起きていることは自分の住む地域でも起こる可能性があるので、国民は観るべきと思います。


8位 あなたのおみとり


「東京干潟」と「蟹の惑星」で名前を覚えた村上浩康監督が、実の父親を実の母親が看取る姿を撮影した本作はかなり反響が大きかったと記憶しています。リガード配給です。


監督が自分の父親の死に行く様と母親の介護する様を撮影したと聞いた時は意味がわかりませんでした。でも、観て理解しました、安らかな死と何度も聞いていたけれどこれなんだと。単に延命させることが良いことではなく、死に行くべき時に死なせることでした。


9位 漫才協会 THE MOVIE 舞台の上の懲りない面々


漫才コンビのナイツの塙宣之が監督した本作は、なんと漫才協会を描いていて、会長が監督自身。頭がくらくらしそうな宣伝映画になっていると思いきや、さにあらず。ちゃんとしたドキュメンタリーになってました。配給もKADOKAWAです。


漫才協会なるものも知らず、今の漫才の状況もあまりよくわかっておらず、漫才協会会長が塙さんとも知らず、それなのに理解できて楽しめたので、上手くできているのでしょう。久しぶりに寄席に行きたくなりました。


10位 アイアム・ア・コメディアン


描かれているのはウーマンラッシュアワーの村本大輔、監督は日向史有、配給はSPACE SHOWER FILMSで、今作もまた異色のドキュメンタリーです。


お笑いはほとんど見ないのでウーマンラッシュアワーも村本大輔もよくわかっておらず、村本さんがテレビから追い出されたことぐらいしか知らなかったので、順序立てている訳でもないのに経緯のわかる構成には感心して驚きました。そして、覚悟を持って本音を言っている村本大輔と支える周囲に未来を感じました。


11位 その鼓動に耳をあてよ


今作も地方テレビ局の作ったドキュメンタリーながら、十八番の東海テレビの劇場公開ドキュメンタリー第15弾です。足立拓朗初監督作で、プロデューサーはいつもの阿武野勝彦と遂にという感のある土方宏史です。配給も東海テレビです。


取材先は東海テレビお膝元の名古屋掖済会病院救命救急で、よく撮影できたなと思いますし、コロナ禍の時も撮影していたと聞くと構えてしまいましたが、救急医の素顔と救命救急の実状が伝わり、作ってくれて良かったです。掖済会病院は知らなかったのですが、この病院の成り立ちと方針を知って身近に感じました。

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January 09, 2025

2024年に映画館で観た海外劇映画のランキング

2024年に映画館で観た海外劇映画のランキングです。海外作は本数も多く、観た本数も多いため、選考に残った本数が多くなりました。
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1位 関心領域

マーティン・エイミスの原作を基にジョナサン・グレイザーが監督・脚本を務めた本作は米国・英国・ポーランド合作で、ハピネットファントム配給でした。

収容所所長公邸での家族や使用人、関係者を描くことによって間接的にナチスによるホロコーストがあぶり浮き出され、恐怖をぞわぞわと感じました。間接的に描くことが効果的な点を高く評価します。ネタバレになりますが、ナチスには悪夢のように現在の収容所跡が出現したのも効果的でした。唯一無二です。

2位 No.10

アレックス・ファン・バーメルダム監督・脚本のオランダ・ベルギー合作の今作は、どのジャンルに入れられるのか悩むほどジャンルを横断しているので、好き嫌いが分かれるでしょう。下手をすれば荒唐無稽のB級になるところを踏み留まった唯一感が魅力です。その先の読めない展開に翻弄されながらも楽しめた者の勝利です。2021年製作でフリークスムービー配給なので日本配給の裏側が気になります。

3位 VORTEX ヴォルテックス

あのキャスパー・ノエ監督・脚本の本作はエログロ一切無しのノエ監督作の中では異色です。老夫婦とダメ息子しか登場しないフランス映画でシンカ配給です。2021年製作なので多少の躊躇があったのかも知れません。

まさかノエ監督作をランキングさせるとは思いもしませんでしたが、心臓病の夫と認知症の妻のふたり暮らしを極めて現実的に描いていて、身につまされました。

4位 システム・クラッシャー

今作で長編デビューしたノラ・フィングシャイト監督は脚本も担当したドイツ映画です。極めて現代的なセンスが貫かれ、ある種ぶっ飛んでいます。2019年製作でクレプスキュールフィルム配給なのも国内配給の裏側を覗いてみたくなります。

観た直後はランキングさせると思いませんでしたが、振り返って整理すると上位に来ました。昔から存在する問題を現代に露に晒した点が素晴らしかったです。所謂手に負えない子供を何とかして安全に保護管理しながら大人も負担を抱えないように方法を探る作品は過去にもあったでしょうが、主演の子役の子が凄まじいエネルギーを発していて高評価の半分以上は彼女のお陰です。

5位 人間の境界

アグニエシュカ・ホランド監督のポーランド・フランス・チェコ・ベルギー合作で、トランスフォーマー配給です。現在も起こっている難民問題を国を追及する描き方をしています。

上位とは打って変わってオーソドックスな作りながら、現在の社会問題、いや政治か外交か人権問題でもあるでしょうが、他人事にしがちな第三国に住む私たちに教えてくれたことに感謝しつつ、人間は醜いとも示しています。

6位 ジョイランド わたしの願い

今作で長編デビューを飾ったサーイム・サーディクは監督・脚本を務め、LGBTQを描いたため本国パキスタンでは上映禁止命令が出たそうです。抗議活動が強くなって後に命令は撤回されたそうですが、なかなかの筋金入りの監督と思われます。パキスタン映画でセテラ配給です。

パキスタンでは恐らく当たり前の慣習を描いていて、現代的な女性は抑圧されがちと頷いていると衝撃的な展開を迎え、監督の怒りと熱意を感じ取りました。

7位 ある一生

ローベルト・ゼーターラーの原作を基に、ハンス・シュタインビッヒラー監督作で、ドイツ・オーストリア合作です。激動の時代を生きたひとりの男性の一生を描いているだけですが、学ぶところは多かったです。アットエンタテインメント配給です。

今作もまたオーソドックスで時系列順に描いているので、そういうこともあると物語を追ってラストを迎えた時にハッとさせる力強さがポイントです。世界大戦を経験した故の物語ではなく普遍的な物語なのです。私も生涯を閉じる時に振り返って初めて気づくのかも知れません。

8位 花嫁はどこへ?

キラン・ラオ監督のインド映画で松竹配給なのでベタなコメディかと思いきや、さにあらず、奥深い物語でした。

コメディタッチで始まり、そのつもりで気楽に観ていると偏見と差別が深く横たわっていた物語と気づく作品で、非常に上手く作られていました。インド映画なのに型にはまらず製作できたことにも驚きました。

9位 ジガルタンダ・ダブルX

偶然ながらインド映画が続きますが、「ジガルタンダ」シリーズ第2作のカールティク・スッバラージ監督・脚本で、SPACEBOX配給です。

今作も暴れ者が登場するインド映画にありがちな設定で始まり、収まるべきところへ物語は着地したと思ったら大逆転し、いきなり現代社会の問題へ突っ込んで行きました。私たちに問題を突きつけるところが素晴らしいです。

10位 沈黙の自叙伝

今作が長編デビューとなったマクバル・ムバラク監督が脚本も担当したインドネシア映画で、ムーリンプロダクション配給です。インドネシアでの加害者と被害者の関係は知っていたので、加害者の元で仕事をする少年の気持ちはひしひしと伝わって来ましたし、単純に結論が出せない気持ちもわかりました。

静かに始まる今作は閉塞感を漂わせて物語は進み、ラストで奈落の底へ突き落とされました。人間は業が深いです。

同11位 コール・ジェーン 女性たちの秘密の電話、草原に抱かれて、父は憶えている、ぼくの家族と祖国の戦争、2度目のはなればなれ

この5作は最後までベスト10選考に残ったものの、どれも甲乙つけ難く、同11位としました。

「コール・ジェーン」は監督フィリス・ナジーの米国映画で、母体を守るには堕胎しかないのに中絶が違法だった時代の物語ながら、現代の米国に通じるテーマであり性差別問題も含む現代的な作品でした。

「草原に抱かれて」は監督チャオ・スーシュエの中国映画で、認知症の母を抱えたミュージシャンが苦しい状況と闘う中で光を見つけた現代の物語です。

「父は憶えている」は監督・脚本アクタン・アリム・クバトのキルギス、日本、オランダ、フランス合作映画で、記憶を失った父が家に帰って来てからの物語は何かのメタファーのようでした。

「ぼくの家族と祖国の戦争」は監督・脚本アンダース・ウォルターのデンマーク映画で、少年から見たホロコーストの物語で、家族はユダヤ人を救う方へ傾き、学校の友人はナチスへなびき、レジスタンスの歳上の友人は殺される中でどうしたらよいのか揺れ動く様子が実際の少年を見ているかのようでした。

「2度目のはなればなれ」はマイケル・ケインの引退作なので枠外にしても良いくらいですが、敢えて残しました。監督オリバー・パーカーの英国映画で、共演のグレンダ・ジャクソンの遺作ともなりました。若くして戦争で戦うことが当時とその後の精神状態に与える影響を描くのは今作が初ではありませんが、演技力のなせる技か、非常に強い説得力があり、ケインの引退作かつ代表作にふさわしい作品に仕上がってます。

番外 サウンド・オブ・フリーダム

今作は他と明確に違う点があり、実話ベースでクラウドファンディングを募っており、ペイ・イット・フォワードを採用して観客の範囲を広げています。ペイ・イット・フォワードに賛同しましたし、製作熱意に感動し、人身売買に思い入れも強いので、ランキング枠外としました。

連れ去られて売られた子供を仕事を辞めて危険を犯してでも取り返す捜査官を、いや現地コロンビアで撮影したと聞いていたのではらはらしながら観てました。メル・ギブソンが製作総指揮として参加し、主演のジム・カビーゼルがメッセージ映像を付け、海外映画から熱意を感じたのは初めてかも知れません。

January 07, 2025

2024年に映画館で観た日本劇映画のランキング

では、2024年に映画館で観た映画ランキングを挙げていきます。あくまでも私的視点での映画としての評価のランキングです。まずは日本劇映画の部からです。
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1位 九十歳。何がめでたい

ミニシアター系映画館で観ることが多いので、メジャー作でシネコンで上映される映画をランキングに入れることは珍しいのですが、今作は製作がぶっ飛んでいた上に出来がすこぶる良く、1位にしました。

佐藤愛子原作、前田哲監督、草笛光子主演の組み合わせが良かったです。90歳当時の原作を元に90歳の草笛光子が主演したというだけで話題ですが、そこに唐沢寿明が加わった万人向けコメディです。裏テーマで描かれるのは唐沢演じる時代遅れ編集者の方であり、こんな製作をよくまあ松竹が承知したものだと感心します。草笛演じる佐藤愛子も歳相応に生き生きしているし、唐沢の方はイメージをぶっ壊す役をよく引き受けたものです。

2位 あんのこと

打って変わって暗い社会派映画を挙げます。1位とは逆の意味でスタッフとキャストが揃い、現代的で辛くなる良い映画です。キノフィルムズ、やったね!という気分です。

入江悠監督・脚本、河合優実主演で、佐藤二朗と稲垣吾郎が脇を固めてます。正直言って、まさか入江悠監督作が硬派で現代を扱った社会派映画とは予想せずに観、河合優実は良い俳優だなと思ったらすぐに全く異なる役で主演した映画が公開されて二度驚きました。

3位 HAPPYEND

設定は未来なので一応SFにジャンル分けできる映画ですが、ドラマとも青春物とも言え、SFでないと描けないドラマとも言えます。そのバランスが非常に良かったです。日米合作でビターズエンドが配給してます。

空音央監督は今作が初の劇映画で、主演俳優のオーディションで選ばれたふたりは今作がデビュー作となりました。空監督はドキュメンタリー映画の部でも挙げていて、上手い監督なので今後が楽しみです。主演俳優も良く、脇役に見慣れた俳優がいて引き締めていました。

4位 STRANGERS

今作が何だったのかいまだ理解できてませんが、雰囲気が非常に良くて魅了もしくは圧倒されてしまったようです。公開規模は小さかったです。

池田健太監督・脚本、大西礼芳主演、impasse配給の本作はサスペンススリラーとの謳い文句で間違いなくそうでしょうが、結論らしいものはなかったように感じます。でもそれで良いと感じました。

5位 ナミビアの砂漠

これもまた何だったの?と言えなくもなく、現代っ子が好き勝手に生きた末に正解に行き着いた映画だと私は受け取ってます。河合優実が「あんのこと」とは全く違う、人でなしのギャルを最高に演じた点も評価が高いです。

山中瑶子監督・脚本、河合優実主演、ハピネットファントム配給で、まさしく独特の世界観でした。

6位 ココでのはなし

表面上は事件も起こらず、とあるゲストハウスで関わる人たちを描いただけながら、心に深く踏み込んだ映画です。これもまた公開規模が小さかったです。

こささりょうま監督、敦賀零、こささりょうま脚本で、イーチタイム配給です。本作がこささ監督の初長編監督作で、とてもそうは思えないバランスの良い映画です。

7位 ぼくのお日さま

今作も公開規模は小さかったと記憶してますが、池松壮亮が影の主役で、良い後味を残してくれました。

奥山大史監督・脚本で東京テアトル配給なので、東京テアトルは力を入れたのでしょう。子役ふたりが上手いスケート技術を生かした演技をして大人にふんわりと懐かしい思いを残し、池松壮亮はスケートが上手くないのに上手いふりでコーチ役を務めて心の傷を抱えるのは流石と感心しました。

8位 夜明けのすべて

シネコン公開作ながら地味と言えば地味ですが、なかなか取り上げられない病気をテーマにさらりと、かつ人々に実感させた今作を評価したいです。

瀬尾まいこ原作、三宅唱監督、松村北斗、上白石萌音主演、バンダイナムコとアスミックの配給です。PMS(月経前症候群)とパニック障害を取り上げた役の主演ふたりの演技が上手くて、考えさせられた映画でした。

9位 さよならほやマン

今作は公開規模が小さく、コメディなのかドラマなのか迷うノージャンルと言える映画で、下手すりゃご当地映画で終わってしまうところを上手くまとめてます。

庄司輝秋監督・脚本、アフロ主演で、シグロとロングライドが配給です。離島が舞台で漁師を目指す兄と障害者の弟が現れ、ふたりの両親は行方不明で多額の借金を抱えながらも両親の一軒家で住んでいる設定からして具体性があり、後でこの離島のある石巻市は庄司監督の故郷だと知り、何となく納得しました。でも、今作が庄司監督の長編初監督作です。

10位 一月の声に歓びを刻め

3部構成の今作に共通して描きたかったテーマがあったのかわかりませんが、ヒリヒリしたものが根底に流れていて強く印象に残ってます。

三島有紀子監督・脚本、前田敦子、カルーセル真紀、哀川翔主演、東京テアトル配給です。俳優の演技も然ることながら、映像が印象に残ってます。

番外 青春ジャック 止められるか、俺たちを2

名古屋のシネマスコーレを舞台に、今やシネマスコーレ代表である木全純治を主役に据えられると、個人的感情がどっぷり入り込んでしまって冷静にランキングをつけられなかったので番外としました。

井上淳一監督・脚本、井浦新、東出昌大主演、若松プロ配給ですから、私が観ない訳はなく、舞台挨拶も行き、二度目の観賞はシネマスコーレにしました。何度でも観る自信があります。井浦新には何度かお目にかかっているし、芋生悠も杉田雷麟も感じの良い人たちでした。井上監督の舞台挨拶は何度か参加してましたが、実は脚本家としてだけだったような気がし、監督としての挨拶は面白く、自伝を映画にしようとしたら尺が足らなくてスコーレを入れ込んだという内輪話でした。

January 04, 2025

2024年に映画館で観た映画の総評

今年に、いやここ2、3年は昨年に映画館で観た映画のベスト10みたいなものを毎年つけてまして、日本映画と海外映画に分け、さらに劇映画とドキュメンタリー映画に分けてつけてます。2024年分もやりますが、今回は総評を冒頭に記しておきます。


2024年ベスト映画はとっくに決めてました。それは「関心領域」です。詳細はランキング内で書きますが、ナチス側の収容所所長公邸を描きながら隣接の収容所の様子を感じさせる手法にノックアウトされました。間接的描写を生かす映画が出現したことにもノックアウトされました。


描写方法が新しい点では他にも幾つかあり、個々の説明もランキング内でしますが、現在の建築や物を使いながらもSFに仕上げた映画で大喜びしていたのが恥ずかしいくらい普遍的方法になっているようです。


 また、現在進行形の感覚を取り入れることを日本映画は躊躇していた気がしますが、2024年は私が従来の感覚だけの映画を避けたこともあって日本映画もやっと追いついたと感じます。


分け方を補足する形にもなりますが、今はコロナ禍以降に製作本数減少の影響から旧作のリバイバル上映が盛んです。私も旧作をかなりの本数観ているので旧作のランキングもします。当然ながら昔の感覚で製作されているので、過去の作品であると頭の中でうまく整理できないと拒否反応が出てしまう一方で、過去に現代にも通じるテーマを描いていたり昔なりの美意識で仕上がっていたりすると惚れ込んでしまいます。なお、リバイバルと言っても4Kリストアやデジタルリマスターかされていますので映像はデジタル上映に慣れた人にも抵抗ないはずです、


最後に書いておきたいのは、「関心領域」は特別として、発見した!と驚愕するような映画に出逢えなかったのは残念でした。

January 03, 2025

2025年の抱負

昨日は新年のご挨拶を忘れましたので、改めまして
 新年あけましておめでとうございます。

さて、2024年に観た映画のランキングをテーマに連日投稿する準備中ですので、まずは新年の抱負を書いておきます。

これしかありません、「新居に引っ越すこと」です。経緯は2024年の個人的重大出来事1位に書いた通りです。いい加減に引っ越さないとずるずるとこのままになってしまいそうですし、新居の近所が騒ぎ出しそうだからです。いや、我ながら広い家を持ちながら庭だけを管理し続けるのはおかしいと思っています。

抱負の次点は、これもまた2024年の個人的重大出来事2位を踏まえてのことでして、植物管理と旅行の両立です。ペットは旅行に行けなくなるからと避け、一度だけ野良猫が居ついて夕飯の塩鮭を取られたり夜に入れろ入れろと雨戸をがたがたさせながら鳴き続けたりしたことはありましたが、庭を手に入れて整備を始めたために迂闊に鉢植えを増やしてしまい、泊まり旅行に行けなくなったのは大失敗です。

では、頑張ります。

January 01, 2025

2024年社会の出来事の個人的ランキング(続き)

年を跨いでの昨日の続きで、ランキングに挙げたのは8位までです。

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2位 10月27日衆院選での自公大敗と石破首相就任


岸田前首相が辞任し、党内の選挙によって石破首相が選出された時、自民党内少数派の石破首相が誕生すれば内部分裂か自己崩壊すると期待して歓迎したものです。それが数日と持たず、日和に日和った石破首相が爆誕したものの、期待通りに衆院選で大敗しました。


国民民主党の台頭などは予想外でしたが、多少なりとも自公の暴挙は押し止められると信じてます。国民も目覚めて欲しいです。


3位 トランプ米国大統領再選


民主党候補がバイデンからハリスへ変更になったことは弱みながら、あのトランプを再選するほど米国国民は馬鹿ではあるまいと信じていました。期待を裏切る圧勝でした。これが時代の流れなのかも知れません、でも4年前の悪夢再びかも知れず、世も終わりかもしれません。


4位 JR東海の改善(改悪)?


回数券廃止は鉄道会社が足並みを揃えたので不満を飲み込みましたが、JR東海は2024年も相変わらず色々とやってくれ、利用者が考えつかない改悪をしてくれました。時刻改正は良しとしても、静岡地区に似つかわしくない新型車両の導入、恐らくその影響による4両編成導入、終点到着前の乗継列車案内の廃止があり、遂にはJRグループ全体の改善(改悪)である青春18きっぷの変更がありました。私としては青春18きっぷの変更は改悪以外の何物でもありませんし、乗継列車案内の廃止は過去の改札内の時刻表掲示廃止と同様に乗客の不便を増しています。代替手段が乏しいことにつけこむのは公共交通機関のすることか?


5位 事件事故の原因は社会の弱体化?


具体例を挙げると、11月16日のJR北海道函館線の貨物船脱線事故(塩害腐食による線路断裂が原因らしい)、7月12日の愛媛県松山市の松山城城山の土砂崩れ(以前から亀裂が確認されていたのに)、7月22日の東海道新幹線保守車両衝突脱線事故(噂はあるけと原因の有力説はまだ無し)、三菱UFJ銀貸金庫からの行員による窃盗(犯人は挙がっているけど全容はまだ掴めてない様子)ですが、とにかく多いのです。鉄道事故も続いてますしサイバー攻撃による被害も続く様相です。保守・維持管理ができない社会だったのかそうなったのかはわかりませんが、ここに適正な金と人を出さないから起こるべくして起こったように感じ、社会への信頼が揺らぎます。


6位 イスラエルによるガザ攻撃


ガザについてはずっと気にしていますが、イスラエルがより攻撃的になり、ホロコーストの被害者であるユダヤ人がなぜかパレスチナ人を目の敵にする上に攻撃範囲を拡大させていることは全く理解ができません。世界中の同胞と一緒にガザのために行動したいです。


7位 袴田事件の冤罪確定、袴田さんの無罪確定


静岡県内だけかも知れませんが、これは大ニュースとなり、関連するドキュメンタリー映画も前後して公開されており、余波はまだまだ続いています。私は冤罪事件に関心を持ち、ドキュメンタリーも多数観てきて、最近は冤罪を生む人の心理を考えるようになりました。浜松で袴田さんをお見かけしたこともあるので、この無罪確定は嬉しかったです。次はいかにして冤罪を生まないかです。


8位 米を代表とする物価上昇


夏の酷暑による作物などの不作が原因の物価高は、政府が手を打つべしと思うものの、天候には勝てないので甘んじて受け入れますが、輸入品の価格上昇が一因である物価高にも関わらず政府は一向に政策転換をせず、打ち出す政策は国民を苦しめたり戦争のできる体制作りだったりで、腹が立ちます。

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